たまゆら岡崎へ行く②

先日、三浦太鼓店さんに伺った際に、色々なお話を聞かせてもらいましたが、1番印象に残ったのは「桶」の話。



午前中にはカクキューさんの味噌蔵見学もしていたので、この日は桶三昧の日でした。

現在、全国的に桶屋さんの廃業が続いて、担ぎ桶胴太鼓の良い桶胴が手に入らなくなってるのは知っていました。

味噌桶も同様で、そのサイズがサイズだけに状況はさらに厳しい。伝統的な方法で6尺ほどの味噌桶を作れる業者は全国に3社と仰ってました…。

私の桶を作ってくれた桶職人さんももう数年前に廃業し、馴染みの太鼓屋さん自身は桶胴は作っていない。そこで当然某有名太鼓店から仕入れる訳ですが、もちろんその分コストは高くなる。

さらにその太鼓店の匙加減ひとつで卸値も変わるし、最悪卸してくれなくなることもある。

昔ながらの桶職人さんで、太鼓の胴を作ってくれるところは今や超貴重。争奪戦です。

三浦太鼓店さんの凄いのは、その状況に立たされた時に、自分で桶職人さんに弟子入りして桶を作ってしまおう!という考えに至ったこと。

その後どういう経緯で今に至ったかは、その想いも含めて是非三浦太鼓店さんのブログを読んだり、ご本人から直接伺ったりしてほしいので、私の口からは語れませんが、我々はそんな話を伺いながら、三浦太鼓店さんの情熱の桶作りがどんな風に行われているかを、少しだけ見せてもらいました。



凄い数の鉋です。これは桶職人さんから受け継いだ大事な道具とのこと。これらで桶胴の材料である木板(杉材が主)を削っていきます。なぜこれだけの鉋が必要なのか、秘密はこれです。



お分かりになりますか??削る側が太鼓の胴径に合わせて丸みを帯びた形になっています。これで1枚づつ木板を削っていって、組み合わせると桶胴になるわけです。つまりは、作ろうとする桶胴のサイズごとに専用の鉋が必要になってくるので、これだけの鉋が必要なんですね。

写真は1尺のものなので、これで削った板を組み合わせると直径約33センチほどの桶ができます。


しかし木板を組み合わせるためにはこれだけでは不十分です。当然、板と板を組み合わせる辺に正確な角度がついていなければ、側面は丸みを帯びても組み合わせた時に円にならず、胴を組むことができません。そこで登場するのが、貝型と呼ばれる桶作り専用の定規のようなものです。



この定規のフの字を反対にした部分が微妙に鋭角になっています。その角度に合わせて板と板の接合部を削っていくと、組み合わせた時にちゃんと円になり、胴型となるのです。



こんな感じです。

削っては貝型に合わせ、削っては貝型に合わせを繰り返します。



ちなみにこんな感じのロングな鉋(正直台というらしい…)で削ります。


まさに道具と技。
伝統工芸です。


さらに、桶を組む上で重要なのがタガ。

組んだ胴板をしっかりと締め付け、丈夫な桶にするには無くてはならないものです。

タガが外れるというのはまさにここからきている言葉です。



まずはタガの材料となる竹を、薄く切り出します。これがめちゃくちゃ難しそう。曲げやすく、かつ折れないくらいの厚みを切り出すのも職人技で、一朝一夕ではできません。

そこから切り出した竹を曲げて輪っかを作り、編んでいくわけですが、これを一本の竹で編む場合や二本使う場合、三本使う場合など様々あるようです。

大きな胴径になればなるほど、長さも必要ですし、本数も必要になる場合があります。



この日に編んで見せてもらったのは1尺5寸くらいのタガでしたが、6、7mくらい?の竹一本で編んでいらっしゃいました。

「はじめは師匠の編んでいるところを見てもさっぱり分からなかったんですよね~」と言いながら、あっという間に編んでみせる…

で、こんな感じ。



感動しました。

これぞ職人技。


実際にこうして桶作りの一端を見せていただく機会など、なかなかあるものではありません。

しかも今や桶職人さんが日本中で少なくなっている。

桶も日本の立派な伝統工芸品。
アナログな技術が美しい桶をつくり、当然それが楽器の良し悪しに影響します。

今回は岡崎まで足を運んだ甲斐がありました。

三浦太鼓店さんの桶にかける情熱を肌で感じることができましたし、ユーザーとして道具を選ぶ上で、信頼と安心を持って選ぶことができます。

次に担ぎ桶を買う時は、三浦太鼓店さんの桶が候補になりそうです笑

ま、その前に次の太鼓を買う承認が家庭内で下りればですが…。



というわけで、この日は大人の社会科見学のようにメンバー皆で楽しませていただきました笑

何歳になっても目で見て触れて感じる体験てのは大事ですね。

特に自分たちで扱う楽器や道具について知り、考える機会というのはとても大事。そうすることで道具に込められた想いや技術に対する敬意や感謝が生まれますし、それが自分自身の演奏や楽器の扱いを見直すきっかけにもなります。

これからもこういう機会をどんどん作っていきたいなと思います。

さて、今回は味噌蔵にも行ったから、次回は酒蔵か?笑


三浦太鼓店
http://www.taikoya.net/sp/

三浦太鼓店ブログ「和太鼓と生きる」
http://6daimeyaichiblog.blogspot.com/?m=1
































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