広崎太鼓店にて

4月のある日のこと。

久しぶりに来た金井メンバー(笑)が我らがたまゆらサウンドの核となる長胴太鼓の革を破きました笑

というとなんだか彼女のせいのように聞こえますが、まあ破れ方としては長年の打ち込みによる革面の磨耗とでも言いましょうか。まあつまりは寿命というやつですね。



海老名市にある広崎太鼓店さんにて、まだ塗装もされていない胴の状態で出会ったこの太鼓。

出会った瞬間から恋に落ち?その場で即購入を決断。

それから10年間、たまゆらサウンドの中心として大切に打ち込んでまいりました。

よく、太鼓の革は破れる直前が1番いい音で鳴るなんて言われますが、本当にその通りでここ1年くらいの間破れた側の面はとてもよく鳴っていました。

振り返ってみれば10年間、ほぼ欠かさず毎週打ち込んでいましたし、たまゆらの曲は長胴をガンガンに打ち込む曲ばかりなので、まあついに逝ったかという感じです。今まで本当にありがとうと言いたいです。

まあ丁度10周年のライブも数ヶ月先に控えている今に破れたのも、なんだか太鼓が気を遣ってくれたのではないかと思ってしまうようなタイミングです。ライブ直前とかだと大変ですし、ここから数ヶ月あれば、新しい革を打ち込んで多少は馴染ませることもできる。

なんて打ち手想いの太鼓なんでしょう。

さて、そんな感傷?に浸りながらも、楽器がなくては活動に支障をきたしますので早速太鼓屋さんへ持ち込みました。

一応、別の業者からも見積を取りましたが、おおよそ予想してた通りの内容。さらにちょっと対応が悪そうな印象を受けため、迷うことなくこの太鼓の生みの親、海老名の広崎太鼓店さんへ。

すると「少し待てるならいい革が入るけど…」というお話が。


またまたなんと運が良いのでしょう。

もちろん待ちます。


ということでその場で太鼓は広崎さんにお預けしてきました。


さてそれから3週間ほどでしょうか?


お願いしていた革も手に入り、いよいよ太鼓に革を張るというのでメンバーと共に立ち会ってきました。



たまゆらの塚本メンバーは太鼓の革張りを見るのははじめて。

実は私は子供のころから地元のお囃子をやっていたこともあり、革張りには立ち会った経験があります。

上の写真は既に太鼓に張るべき革をあて、ロープとジャッキを使って思い切りテンションをかけている状態です。この状態で打面を叩くと既に甲高い新品の太鼓の音がします。

革張りの際はこの段階で音ともに革の張りをチェック、そして調整し、これだ!というところで鋲を革と胴に打ち込み革張りを完了させます。

面白いのは、昔ながらの「革踏み」です。

太鼓の胴に革をなじませ、多少革を伸ばして張りたての固く甲高い音を和らげ、好みの音とするために、革を張った太鼓の上に人が乗って何百回と踏みます。




まあ実際この作業は伝統的にどこの太鼓屋さんでも行われている作業だとは思いますが、正直なところ太鼓を持ち帰った翌日からガンガンに打ち込む我々にとって意味があるかどうかは疑問です笑

けれどもこういう作業を体験するのも昔ながらの太鼓屋さんにお願いする楽しみのひとつです。

量産型の格安太鼓が溢れる中、太鼓に関する様々なことを教えてもらいながら、実際にやらせてもらえるのはとてもありがたい。

こういう体験は大切にしていきたいですね。



さて、色々と相談したり踏んだり、ジャッキを使ってさらにテンションを調整したりしているとかなり良い響きの張り具合になりました。

よしこれでいこう!ということで音を決めたら早速胴に鋲を打ち込んで革を止めていきます。

流石の職人技。



素早くかつ正確に打ち込んでいきます。



鋲を金槌で打ち込む打撃音が甲高く響きます。



そして完成。

なんて美しい飴色の革なんでしょうか。

ちなみに今回のこの革はあか牛と呼ばれる褐毛和種の牛です。耐寒性や耐暑性に優れた強い品種の牛で、太鼓にすると強くて厚く、響きのある良い音が鳴ります。

革の部位としてはだいたいお尻のあたりの1番強く、よく太鼓に用いられる部位の革らしいです。

3尺5寸クラスの大太鼓などは、それだけの大きさを1枚で取るのが難しいため、背中の革をよく用いますが(よく背骨のラインが太鼓の面に見えますね)本当はお尻のあたりの革が理想的だとのこと。

ちなみに今回の牛なら1尺8寸くらいの革であればお尻の部分で2枚は取れるそう。

想像するとかなりのサイズの牛ですね…。



さて色々と書きましたが、晴れてたまゆらの長胴太鼓が復活です。

今回、この革張りに立ち会わせてもらったことでまた色々と新しい知識を得ることができました。塚本メンバーはなおさらでしょう。

やはり打ち手である我々が、和太鼓という楽器に敬意を払い、伝統楽器たる所以となるその技術や職人の技への理解を深めなくてはならないと、改めて思いました。

もちろん和太鼓は高価な楽器です(楽器というものは和太鼓に限らず高価ですが)が、そこに込められた技術や材料の価値を考えれば納得のいく価格なのかもしれません。

資金がなければ、海外製の安価な太鼓を使用するのは仕方のないことかもしれませんが、安さと手軽さばかりが優先され、打てれば何でもいいという感覚の打ち手が増えてしまったとしたら、それはとても恐ろしいことだと思います。

例え高価な本物の和太鼓を買えなくても、そこにある伝統の技をリスペクトすること。

それを忘れてしまったら、打ち手が和太鼓という伝統楽器を死に追いやることになりかねない。

まあ、ちょっと盛り気味で書いてはいますが、僕は結構本気でそう思ってます。

とまたまた熱くなりすぎましたね笑


というわけで新しく生まれ変わった太鼓とともにまたまた色んなところでたまゆらサウンドを響かせていければと思います。皆さん、楽しみにしててください!笑

それでは。












スポンサーサイト

Comment

Add your comment